社長が“社員を変えよう”とするのをやめた瞬間、1億2000万円が生まれた

― 構造認知コンサルティング事例① ―
Ⅰ.“社員が動かない”
これは、あるアパレルメーカーの社長から、
実際に相談を受けた時の話です。
その会社では、営業組織がうまく機能せず、
社長自身がかなり強いストレスを抱えていました。
理由はシンプルです。
「社員が、自分の理想通りに動かない」
からです。
・もっと積極的に動いてほしい
・もっと考えて営業してほしい
・なぜ自分と同じようにできないのか
・何度言っても変わらない
社長は、 本気で会社を良くしたいと思っていました。
だからこそ、
社員指導にも熱が入っていました。
しかし、
現実には、
・社員が萎縮する
・会議で発言しない
・自分で考えなくなる
・指示待ちになる
という状態が起きていました。
そして社長自身も、
「なぜ伝わらないんだ…」
と苦しんでいたのです。
Ⅱ.問題の本質は“社員”ではなかった
しかし、
実際に対話を重ねる中で見えてきたのは、
問題の本質は、
“社員の能力”ではなかったということです。
本当の問題は、
社長自身が、
“社員はこうあるべき”
という正しさを、無意識に握っていたことでした。
例えば、
・営業なら積極的であるべき
・自分で考えるべき
・空気を読むべき
・社長の意図を察するべき
・結果を出すべき
こうした価値観です。
もちろん、
それ自体が悪い訳ではありません。
しかし、
それを“絶対”として握った瞬間、
社員を見る視点が、
「できていない所探し」に変わってしまっていたのです。
すると、
社長の関わり方には、無意識の圧力が生まれます。
社員は、
「否定されたくない」
「間違えたくない」
「怒られたくない」
という状態になり、
結果として、 主体性を失っていったのです。
Ⅲ.社長は“育てよう”としていた
ここで非常に重要なのは、
社長本人には、 悪気が全くなかったことです。
むしろ、
「社員に成長してほしい」
という想いが、 非常に強かったのです。
しかし実際には、
“育てよう”とすればするほど、
社員は、自分で動けなくなっていました。
なぜなら、
コントロールされる環境では、人は主体性を失う
からです。
つまり、
“良かれと思ってやっていた関わり方”そのものが、
社員の成長を止めていたのです。
Ⅳ.社長が変えたのは“社員”ではなく“自分自身”
そこで、
僕が社長にお伝えしたのは、
「社員を変えようとするのを、一旦やめてみませんか?」
ということでした。
最初、社長は戸惑っていました。
当然です。
多くの経営者は、
「社員を変えること」が人材育成だと思っているからです。
しかし、
実際には逆でした。
必要だったのは、
“社員を変えること”ではなく、
“社員が育ちやすい環境を作ること”
だったのです。
そこで社長は、少しずつ、
・正しさを押し付けるのをやめる
・社員を否定しない
・答えを与えすぎない
・コントロールを手放す
・まず相手を理解する
という関わり方へ変えていきました。
すると、
組織に変化が起き始めました。
Ⅴ.社員が“自分から”動き始めた
今まで、
・会議で黙っていた社員
・指示待ちだった社員
・萎縮していた社員
が、少しずつ、
自分の意見を言い始め、
提案をし始め、主体的に動き始めたのです。
そして結果として、
設備投資ゼロの状態で、
わずか1ヶ月後、 1億2000万円の売上が発生しました。
しかし、
ここで重要なのは、
売上そのものではありません。
本質は、
“社長のあり方”が変わったことで、
組織の空気、人間関係、社員の主体性、
行動そのものが変化した
ということです。
つまり、
組織問題の本質は、
「社員の能力」ではなく、
“育つ環境”
にあったのです。
Ⅵ.人は、“変えよう”とすると閉じる
僕は、20年以上、経営者の相談に乗る中で、
人は、“変えよう”とされると閉じる
ということを、何度も見てきました。
しかし逆に、
安心できる環境では、
人は自然と育ち始めます。
これは、人材育成だけではありません。
子育てでも、夫婦関係でも、組織でも同じです。
だからこそ、
本当に重要なのは、
「どうやって人を変えるか?」
ではなく、
「どうすれば、人が自然と育つ環境になるのか?」
なのです。
Ⅶ.構造認知コンサルティングとは?
僕は、新しいノウハウを教えたい訳ではありません。
それよりも、
経営者自身が、
・無意識に握っている正しさ
・解釈
・コントロール欲
・絶対化された価値観
に気づくことの方が重要だと考えています。
なぜなら、
問題の本質は、外側ではなく、
“構造”
にあることが非常に多いからです。
だからこそ僕は、
「それって、本当に絶対ですか?」
という問いを大切にしています。
その問いによって、
今まで見えていなかった構造に気づき、
組織も、
人間関係も、
人材育成も、
本当の意味で変わり始めるからです。
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