“社員の意識を変えよう”とするのをやめた瞬間、社員から自発的提案が溢れ出した

― 構造認知コンサルティング事例② ―
Ⅰ.“社員に主体性がない”
これは、
あるユニフォーム販売会社の社長から、
実際に相談を受けた時の話です。
社長の悩みは、
非常にシンプルでした。
「社員に主体性がない」
ということです。
・指示を待っている
・自分から提案しない
・考えて動かない
・言われたことしかしない
・当事者意識が弱い
そのため社長は、
これまで、
・主体性を持て
・もっと考えろ
・自分で動け
・経営者目線を持て
と、
繰り返し伝えてきました。
もちろん、
社長自身は、
本気で会社を良くしたいと思っていました。
だからこそ、
社員教育にも力を入れていました。
しかし現実には、
伝えれば伝えるほど、
社員は受け身になり、
空気を読むようになり、
本音を言わなくなっていたのです。
そして社長自身も、
「なんで主体的に動かないんだ…」
と苦しんでいました。
Ⅱ.問題の本質は、“社員の意識”ではなかった
しかし、
実際に対話を重ねる中で見えてきたのは、
問題の本質は、“社員の意識の低さ”
ではなかったということです。
本当の問題は、
社長自身が、
“社員は主体的であるべき”という正しさを、
強く握っていたことでした。
もちろん、
主体性は大切です。
しかし、
ここで重要なのは、
その“正しさ”が強くなるほど、
無意識の圧力になる
ということです。
つまり、
社長は、
「主体性を持たせよう」
としているつもりでしたが、
実際には、
「社長の正解に合わせる空気」
を作ってしまっていたのです。
すると社員は、
・間違えないようにする
・否定されないようにする
・怒られないようにする
・社長の顔色を読む
ことに意識が向き始めます。
その結果、
自分の考えを出さなくなり、
主体性が消えていったのです。
Ⅲ.“主体性を持て”と言うほど、主体性は失われる
ここで非常に重要なのは、
人は、コントロールされるほど、主体性を失う
ということです。
例えば、
常に答えを与えられる環境では、
人は自分で考えなくなります。
常に評価される環境では、
失敗を避けるようになります。
常に正解を求められる環境では、
自由な発想が消えていきます。
つまり、
“主体性を持たせよう”としている関わり方そのものが、
逆に主体性を奪っている
ことが非常に多いのです。
Ⅳ.社長が変えたのは、“社員”ではなく“空気”だった
そこで、
僕が社長にお伝えしたのは、
「まず、社員を変えようとするのをやめてみませんか?」
ということでした。
最初、
社長は戸惑っていました。
当然です。
多くの経営者は、
「社員教育=社員を変えること」
だと思っているからです。
しかし実際には、
必要だったのは、
“社員を変えること”ではなく、
“社員が安心して動ける空気を作ること”
だったのです。
そこで社長は、
少しずつ、
・正解を押し付けない
・否定から入らない
・すぐに評価しない
・社員の話を最後まで聞く
・失敗を責めない
という関わり方へ変えていきました。
すると、
組織の空気が変わり始めました。
Ⅴ.わずか1週間で“自発的提案”が始まった
それまで、
・黙っていた社員
・様子を伺っていた社員
・指示待ちだった社員
が、
少しずつ、
自分から提案を始めたのです。
しかも、
それは、社長が指示した訳ではありません。
社員自身が、
「もっとこうした方がいいのでは?」と、
自然に動き始めたのです。
そして驚くことに、
わずか1週間で、
社員から自発的な提案が次々と出始めました。
社長自身も、
「こんなに空気が変わるのか…」と驚かれていました。
Ⅵ.人は“安心できる環境”で自然と動き始める
僕は、
20年以上、
経営者の相談に乗る中で、
人は、
安心できる環境では、自然と育ち始める
ということを、
何度も見てきました。
逆に、
・否定される
・評価される
・正解を押し付けられる
・間違いを恐れる
という環境では、
人は防御モードに入ります。
すると、
主体性は消え、
挑戦しなくなり、
本音を言わなくなります。
つまり、
社員を変えようとするほど、
組織は閉じていく
ことがあるのです。
Ⅶ.本当に必要なのは“意識改革”ではなく“環境改革”
多くの経営者は、
「社員の意識を変えたい」と思っています。
しかし
実際には、社員の問題ではなく、
“環境”の問題であることが非常に多いのです。
なぜなら、
人は、環境の影響を強く受ける生き物だからです。
つまり、
主体性を生むのは、
「気合い」ではなく、
“安心して動ける環境”
なのです。
Ⅷ.構造認知コンサルティングとは?
僕は、
新しいノウハウを教えたい訳ではありません。
それよりも、
経営者自身が、
・無意識に握っている正しさ
・解釈
・コントロール欲
・絶対化された価値観
に気づくことの方が重要だと考えています。
なぜなら、
問題の本質は、
外側ではなく、“構造”にあることが非常に多いからです。
だからこそ僕は、
「それって、本当に絶対ですか?」
という問いを大切にしています。
その問いによって、
今まで見えていなかった構造に気づき、
組織も、
人間関係も、
人材育成も、
本当の意味で変わり始めるからです。
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