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「褒めて伸ばす」のウソ・ホント。社長の「無意識の信念」が、自律できない社員を量産する理由

「社員を伸ばすには、まずは褒めることから」

そう信じて、一生懸命「褒める」努力をしている経営者は少なくありません。

しかし、実はこの「褒める」という行為、社員が成長する場合と、
逆に成長を完全に止めてしまう場合に真っ二つに分かれます。

その差はどこにあるのか?

今回は、巷の人材育成論では決して語られない、
社長の深層心理に隠された「大きな落とし穴」についてお話しします。

その褒め言葉、ベクトルは「自分」に向いていないか

先に結論を言うと、褒める成果が変わる境界線は、
その目的が「経営者自身のため」なのか、それとも「社員のため」なのか、というベクトルの向きにあります。

例えば、社長が社員を褒めるときに、こんな思惑が隠れていないでしょうか。

・社員を自分の思う通りに動かしたい(コントロール)
・「褒めている優しい自分」でいたい(自己満足)
・褒めることで、見返りの成果を期待している(取引)

社員はバカではありません。言葉の裏にある「下心」を敏感に見抜きます。
そうなると、どれほど美辞麗句を並べても、それは真の「賞賛」ではなく、
単なる「ヨイショ」や「ご機嫌取り」としてしか響きません。

逆に、真の「褒める」とは、見返りを求めず純粋に社員の成長を期待し、
その存在そのものをありがたく思う心から溢れるものです。
その時の一言こそが、社員の内なるやる気に火をつけます。

しかし――。
実は、ここにはさらに深く、見逃してはいけない「究極の落とし穴」が存在します。

②「自走する組織」は、褒めることすら手放した先に生まれる

「本当に自走する最強の組織を作りたいなら、社長は『褒めること』すら手放すべきである」

そう聞くと、
「いい褒め方をしろと言ったり、褒めるのをやめろと言ったり、どっちなんだ?」と混乱されるかもしれません。

ここで、僕の提唱する方程式を使って、
なぜ多くの経営者が「エセ褒める」をやらかし、組織を停滞させてしまうのかを解説します。

【問題社員 = 社員の言動 + 社長のマイナス評価】

改めて考えてみてください。
なぜ社長は、社員の言動に対して、わざわざ「マイナス評価」を下してしまうのでしょうか?
その原因は、あなた自身に問いかけても、なかなか答えは出てこないはずです。
なぜなら、その原因はあなたの「無意識の信念」に深く根ざしているからです。

③社長を苦しめる「無意識の信念」の正体

僕がこれまで何百人もの経営者と対話を繰り返す中で、多くの人が共通して持っている「ある信念」に気づきました。

それは、「自分の思い通りに物事が進めば、幸せになれる」という強烈な思い込みです。

自分の思い描いたストーリー通りに、社員が動かないと、すべてマイナス評価になってしまうのです。

しかし、ここで冷静に考えてみてほしいのです。
社長の「思い通り」の範囲内で社員が動いているうちは、その組織は「社長の器」を超えることは絶対にありません。

社長が「自分の正解」に社員を当てはめようと執着している限り、
会社は社長一人の発想力や能力という限界の中に、ずっと閉じ込められたままになってしまうのです。
「褒める」という行為も、結局はこの支配欲の裏返しであることが多いのです。

④社長にない「可能性」を信じ、エゴを手放す

「社員を変えない人材育成」の極意は、社長が「自分の正解に当てはめたい」というエゴを捨て、
社長にはない発想、社長にはできない社員の可能性に目を向けることにあります。

社長が「こうあるべきだ」という執着を手放し、
「彼らには、僕には見えていない素晴らしい可能性があるはずだ」と心から信じきったとき、組織の風景は一変します。

社長が「ジャッジ」をやめ、純粋な「信頼」にシフトした瞬間、方程式の右側(マイナス評価)は消滅します。
すると社員は、評価される恐怖から解放され、社長の想像を遥かに超えるアイデアや行動力を発揮し始めるのです。

組織の成長を止めているのは、社員の能力不足ではなく、社長の「思い通りにしたい」という執着かもしれません。
あなたがその手を放し、社員の可能性に全幅の信頼を寄せたとき、
組織は「社長の器」を突き破り、自由で力強い進化を遂げるのです。

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