人は“育てる”のではなく“育つ”

あなたは、
こんな悩みを抱えたことはないでしょうか?
・社員がなかなか育たない
・何度教えても変わらない
・主体性を持って動いてくれない
・任せても、自分で考えない
・自由にやらせると、逆に止まってしまう
多くの経営者は、
こうした問題が起きると、
「どう育てればいいのか?」
を考えます。
しかし、
僕は長年、
経営者の相談に乗る中で、
ある本質に気づきました。
それは、
人は、“育てる”ものではなく、“育つ”ものだ
ということです。
【人は、“無理やり育てる”ことはできない】
例えば、
植物を思い浮かべてみてください。
種に対して、
「早く芽を出せ!」
と怒鳴っても、
成長はしません。
無理やり、
芽を引っ張り出そうとすれば、
逆に壊れてしまいます。
人も同じです。
無理やり変えようとしたり、
押しつけたり、
コントロールしたりすると、
一時的に動くことはあっても、
本当の意味での主体性は育ちません。
なぜなら、
人は、
“コントロールされると閉じる”
からです。
【多くの人は、“育てよう”としてしまう】
例えば、
経営者は、
「社員のためを思って」
こう言います。
「もっと考えろ」
「主体性を持て」
「成長しろ」
「ちゃんとしろ」
親も、
「子どものためを思って」
「勉強しなさい」
「ちゃんとしなさい」
「もっと頑張りなさい」
と言います。
もちろん、
悪気がある訳ではありません。
むしろ、
“良かれと思って”
言っていることがほとんどです。
しかし、
ここに大きな落とし穴があります。
それは、
“育てようとするほど、相手は閉じる”
ということです。
【コントロールでは、人は育たない】
人は、コントロールされると、
無意識に、
「否定された」と感じます。
例えば、
何をやっても、
「もっとこうしろ」
「それじゃダメだ」
と言われ続けると、
人は、挑戦しなくなります。
なぜなら、
失敗すると否定されるからです。
すると、
次第に、
・顔色を伺う
・正解探しをする
・怒られない行動を選ぶ
・指示待ちになる
という状態になります。
つまり、
コントロールによって、
主体性が失われていくのです。
【人が育つために必要なのは、“安心”】
では、
人が自然と育つために、
本当に必要なものは何でしょうか?
それが、
“安心”です。
ここで言う安心とは、
「失敗しても大丈夫」
と思える状態です。
・否定されない
・頭ごなしに怒られない
・存在を否定されない
・自分の意見を言える
・分からないと言える
こうした安心感がある時、
人は初めて、
挑戦できるようになります。
つまり、
主体性は、
プレッシャーから生まれるのではなく、
“安心感”から生まれるのです。
【心理的安全性とは、“何を言ってもいい空間”ではない】
最近は、
「心理的安全性」
という言葉がよく使われます。
しかし、
多くの場合、
表面的に理解されています。
心理的安全性とは、
単に、「自由に発言できる」
ということではありません。
本質は、
“否定されない安心感”です。
例えば、
社長が、表面上は、
「何でも言っていいよ」
と言っていても、
心の中で、
「なんでそんなことも分からないんだ」
と思っていたら、
その空気は伝わります。
人は、言葉よりも、
“無意識”を感じ取っています。
だから、
本当に大切なのは、
制度やテクニックではなく、
経営者自身の“あり方”なのです。
【環境が、人を育てる】
僕は、人材育成とは、
“人を変えること”ではなく、
“育つ環境を整えること”
だと考えています。
例えば、
植物も、種そのものを変えるのではなく、
・土
・水
・日光
・温度
という環境を整えることで、
自然と育ち始めます。
人も同じです。
安心できる環境では、
人は、
自然と挑戦し、
自然と学び、
自然と成長し始めます。
逆に、
・否定
・管理
・恐怖
・プレッシャー
が強い環境では、
人は閉じます。
つまり、
問題は、
“人材そのもの”
ではなく、
“環境”
にあることが非常に多いのです。
【放任と、“育つ環境”は違う】
ここで誤解してほしくないのは、
“育つ環境”と“放任”
は全く違うということです。
放任とは、無関心です。
しかし、
育つ環境とは、
“可能性を信じて関わること”
です。
つまり、
コントロールしないことと、
放置することは違います。
本当に大切なのは、
相手を信じながら、
安心して成長できる土壌を整えることです。
【人は、“育てられて”成長するのではない】
僕は、重度自閉症の娘との関わりの中で、
このことを痛感しました。
昔の僕は、
「なんとか変えたい」
「なんとか成長させたい」
と思っていました。
しかし、
コントロールしようとすればするほど、
お互い苦しくなりました。
でも、
「人はコントロールできない」
という事実を受け入れ、
まず、
安心できる環境を整えることに集中した時、
娘は、自然と成長し始めたのです。
この成長法則は、
経営も、
人材育成も、
人間関係も、
すべて同じです。
人は、
変えようとされると閉じます。
しかし、
安心できる環境の中では、
自ら育ち始めます。
だからこそ、
本当に大切なのは、
“人を変えること”
ではなく、
“人が育つ環境を整えること”
なのです。
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